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企画でこのせつSS第七十九弾

企画でこのせつSS第七十九弾です。

『毎土!このせつSSいかがですか?』

2月20日分です。

さて今回のお題
『虹』『結晶』『交わり』

ssは続きからどうぞ。


水に触れる手は、これでもかってくらい赤くなっていた。
慌ててその手を握るけど、自分の手も彼女のそれと同じくらい赤いことに気付いて慌てて離す。
けど、すぐに捕まって。
いじわるな瞳が私を捕らえた。

「なんで逃げるん?」
「逃げてなど」

そうは言っても、目はあわせられない。
逃げているといわれても、仕方がない。

うるさく鳴る心臓の音が、握られた手を通じて伝わらないか。
それだけが心配で。

「むぅ……逃げられたらあかんし、しばらくこのままな」

片手をぎゅっとつないだまま、ホースをまわす。
長いホースを片手で操るのは大変だろうから、と手をほどこうとすると拒まれた。
仕方なく、とりあげるような形でそれを奪う。

「これ、うちが当番なんやけど」
「なら、明後日手伝ってください」

花壇の水遣り当番は、出席番号順にひとりずつ。
だから、明後日は私の番。

「でも、明後日もせっちゃんは自分がやるんやろ?」
「さぁ、どうでしょう」

くすくす笑って、形勢逆転。
ただただ繋いでいた手を少し緩めて、指を絡ませる。
横目に、彼女の驚いた姿が見えた。

もっと驚いた表情が見たい、と心がくすぐられてひとつ思いつく。

「お嬢様、見ててください」

ホースを軽く太陽に掲げると、すぐに七色の橋がかかる。
ばしゃばしゃと勢いよく流れる水が制服を濡らすけど、気にせず橋をかける。

「んー……ちょっとまっとって」

さっきまであれほど解こうとしなかった手を離し、どこかへ走っていってしまった。

消えたぬくもりが、忘れていた寒さを思い出させる。
そもそも、どうして冬の日に水遣り当番がうちのクラスに当てはまるのだろう。

「っくしゅ……」

さすがに寒かったか。

と、急に水の柱がとんできた。

「え?」
「ほら、虹」

言われて見てみれば、虹が私の作ったものと交差していた。

きらきらした水しぶきの向こうに、虹と彼女。

少しだけ、寒さを忘れさせてくれた。





おしまい

いみふwww
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