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ひんやりあたたか

なんだか一気に暖かくなりましたね。
同時に気温差も激しく……。
みなさま、体調には十分お気をつけください。


そろそろSSも春ネタいけるかな。
でももう少し待とう。
なので今回は冬のお話で。
冬から春にかけて、かな。

このせつです。
短いですが、よろしければ続きからどうぞ。


『ひんやりあたたか』












誰かと手を繋ぐと、じんわりと温かさが伝わってくる。
けれど、たまに例外があったりする。
そのことを初めて知ったのはいつだったっけ。


「うー、まだちょっと寒いなぁ。」

「そうですね、日は暖かいですけど風が冷たいですから。」

「せっちゃん、手、繋いでええ?」


そっと手を差し出せば、頬を赤くして俯いて。
ゆっくりと、やわらかく手が握られた。

じんわりと、心地のよい冷たさが伝わってきた。


「せっちゃんの手、いつ繋いでも冷たくて気持ちええなぁ。」

「す、すみません、冷たいですよね。」


慌てて解かれそうになった手を、しっかり握りなおす。


「謝ることないやん。けっこう気持ちええ冷たさなんよ。」

「で、ですが、」

「うちの手、どんな?」

「へ?」


きょとんとした顔の目の前に、繋がれた手を差し出す。


「うちの手あったかい? それとも冷たい?」


そう問えば、


「とってもあったかいです。」


と、ふにゃっとした笑顔で言われた。

なんだろ。
今のせっちゃんの表情は『ふにゃ』としか言いようがない。

なんだか可愛い。


「せっちゃんは昔から手ー冷たいもんなぁ。」

「お嬢様は昔からあったかいですよね。」


手を繋いだままてくてく寮までの道のりを歩く。


「そういえば、初めてせっちゃんと手繋いだ時びっくりしたなぁ。」

「どうしてですか?」

「冷たかったから。」

「つめたかったから、ですか?」


そ、と相槌をうつ。

うちの周りの人の手は、みんな温かかった。
お父様も巫女さんも、みんな。

だから、初めてせっちゃんと手を繋いだ時は、びっくりした。
すっごくひんやりしていたから。
でも、いやな冷たさじゃなくて、ここちのいいもの。


「でも、いややなかったよ。」

「え?」

「せっちゃんの手のひんやり感。むしろ……好き、かな。」


ぴたっ、とせっちゃんの動きが止まった。
隣を見たら、赤い顔で固まっていて。
繋いだ時にはひんやりとしていたせっちゃんの手。
そのひんやり感はいつのまにか、どこかへ消えてしまっていた。








おしまい
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