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企画でこのせつSS第四弾

企画でこのせつSS第四弾です。

『毎土!このせつSSはいかがですか?』


今回は私は実家に帰省中だったため、一日遅れという……
しかも話し合い不参加中(滝汗
不参加なくせして書くという、なんとも言えない……。
メンバーさんにはご迷惑かけております。
いつもほんとすみません。




さて、今回のお題ですが、
『力』『背中』『小鳥』
です。

今回は2つ使用。
3つにすると長くなりそうだったため、断念。

今回はお嬢様しゃべりまくりです。


SSは続きからどうぞです。 『背負われて』











護る人。
護るべき人。
護りたい人。

浮かんで消える、ひとつの笑顔。
いつも隣にある笑顔。

その表情は、今は見ることができない。

かわりに、すぐ隣で、ちょっとだけ苦しそうな表情。


「あの、大丈夫ですか?」
「んー、なんとか……」

すぐ隣。
必死な表情で、前を見ている。

「その、すみません」
「なんで謝るん?」
「だって……」
「気にせんでもええよ。それに、いつもせっちゃんがうちにやってくれとることやん」

それは、当然のこと。

口には出さず、黙りこくっていると、少しだけ笑い声がすぐ近くから。


「うちがせっちゃん背負うんも、当たり前のことや」

表情はこちらからは見えないけれど、すごく、やさしい顔をしてる気がした。

なぜか急に顔に熱が集まっていく感じがして、見られることはないと思っても、お嬢様の肩に顔をうずめずにはいられなかった。

「あはは、せっちゃん、こしょばい~」

自分の手が置かれる肩。

全身で感じることのできる、護りたい人の背中。

いつもは見ることが、感じることのできないその背中は、自分が思っていたよりも、ずいぶんと大きく見えた。



「お嬢様は、すごいです」
「ん? せっちゃんは、うちがせっちゃんのこと背負えんくらい力ないって思ってたん?」
「え、いえ、あの……」
「図星やろ?」
「……はい」

失礼なことだし、怒ってしまったかと思ったけど、お嬢様は相変わらず真剣な表情で前を見ていた。

「たしかに、前までのうちやったら、難しかったかもしれん。
でもな、護るもの、できたから。
せやから、力が必要になって、体力つけることも始めたんよ」

「まもるもの、ですか?」
「うん」

体が少し宙に浮く。
お嬢様が私を背負う体勢を少しばかり変えた。

「今な、ちゃんとその力、少しずつやけど、うちのものになってるって、実感してるんよ」

「え?」

「いつも、背中ばっかり見てるんは嫌やった。だって、おっきいんやもん。おっきくて、遠くに見えてた。」

護るためには、背を向けねばならない。

だから、護っているときにはずっと背を向けていた。

それが、彼女を苦しめているともしらず。

「でもな、今、背中を向けられることが、どんなに嬉しいことか、なんとなくわかった」

思ったこととは反対の言葉がでてきて、私の頭は困惑するばかり。

「今、うち、せっちゃん背負ってるやん?」

「はい」

「これな、護る人のこと信じてないとできんことやって、わかったんよ」

足を止めて、私のほうを見ると、お嬢様はふわりとほほ笑んだ。

お嬢様の肩にふれる手に、じんわり力が入った。

「せっちゃん、いつもうちのこと信じてくれて、ありがとな」

そんなこと、あたりまえじゃないですか!

口に出して言いたいのに、出てこない。
口が、手が、震える。

こういうとき、自分はまだまだ弱いんだ、と感じる。

お嬢様にはかなわない。


なんとか、声をふりしぼって、

こちらこそ、ありがとうございます。

と小さく呟いた。


この至近距離。
十分聞き取ることができたお嬢様はまた小さく笑うと、足を進めた。


「帰ったらすぐに右足、テーピングな」
「じ、自分でできます」
「えー、うちにやらせてーな」
「これは私の不注意が招いた結果ですし」
「確かになー……でも原因はうちがパクテオー迫ったからやん」
「で、ですが」
「つべこべ言わず、うちにやらせんと、また迫るえ?」
「ちょ、お嬢様―!」



小さいと思っていた背中は、実際、ずいぶん大きなものだった。

この、護りたい人の背中は、これからますます大きくなっていく。

この背中を護るためには、自分もさらに大きな背中を手に入れないと。

だから、自分もこれまで以上に力を持たなければいけない。

この大きくて暖かい背中を信じて、護るために。









おしまい
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