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企画でこのせつSS第八弾

企画でこのせつSS第八弾です。

『毎土!このせつSSはいかがですか?』



実家に帰宅。
どたばたしてたら日付こえてたorz
どたばたはもちろん、帰省もあるのですが、もうひとつ。
ネギま23巻の限定版が届きました。
突然のことだったので、パニックです。
軽いパニックです。
感想とかは、ちゃんと発売日を超えてにしようと思います。



さて今回のお題
『夏』

……あばうとすぎる;
あまりにあばうとなんで逆に苦労しました。
ありきたりな感じですが、なんとか。

SSは続きからどうぞです。

『溶けてしまいそう』













みーんみんみんみん、みーんみんみんみん。
しゃりしゃりしゃりしゃり。
つくつくぼーし、つくつくぼーし。
しゃりしゃりしゃりしゃり。

聞いてるだけで暑くなる蝉の鳴き声の中、涼しさを感じさせる音。

しゃりしゃりしゃりしゃり……。

「お嬢様」
「……」

返事はない。
それだけ集中していらっしゃるということなのだろうけど……。

お嬢様の目の前にあるのは、ペンギン姿のカキ氷機。
大きな硬い氷の塊が、ふわふわの氷になってガラスのお皿に降り注いでいる。
お皿からこぼれおちたそれは、ちいさな水たまりをたくさん作っている。
この暑さだから、あっという間に溶けてもおかしくないのに、お皿の中のふわふわな氷はふわふわなまま。

「できたー!」

嬉しそうな声がして、視線をふわふわ氷の山からお嬢様へと移す。
ふわふわの山が崩れないように慎重にお皿をカキ氷機から出すと、赤、黄、緑、青色の液体の入った瓶をどこからともなく取り出した。

「せっちゃんはどれがええ?」
「えと……私、ですか?」
「うん、せっちゃんのやし」
「あ、ありがとうございます。じゃあえと、イチゴを」
「やっぱりな~。せっちゃん昔からイチゴ好きやもんなぁ」

そう言いながらふわふわの氷の山に赤のシロップをかける。
真っ白だった山は、少しずつ形を崩しながら赤く染まっていく。

「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」

カキ氷とスプーンを受け取って、しゃりしゃりと少し崩れた山をさらに崩していく。
一口目を食べようとして、逸らされることのない視線に気がついた。

「お嬢様は食べないんですか?」
「ん? 食べるよ」

まるで思い出したかのように、またカキ氷機を手でまわしていく。
また白いふわふわとした山ができていく。

「せっちゃん、はよ食べんと溶けてしまうよ?」
「あ、はい」

口の中に、イチゴシロップの甘さと冷たさが広がる。

「おいしいです」
「せやろ。やっぱ暑い夏にはカキ氷や」
「ですね」

三口、四口と食べ進めていくと、頭がキーンとなる。
どうにもできないけれど、なぜか頭を押さえてしまう。

「頭キーンてなったんやろ?」
「はい」
「カキ氷にはつきものやもんなー。っと、うちのもでーきた」

新たに出来上がった白いふわふわの山が、緑色に染まっていく。

「メロン味ですか?」
「うん、せっちゃんも一口。はい、あーん」
「え……」

目の前には、差し出された緑色に染まった氷と満面の笑みのお嬢様。

今までも、何度か出くわしたこの状況。
でも、かわせた回数は数えるだけ。

つまり、今回もかわせる可能性は低いわけで。

「えと……」
「はよせんと溶けてまうよ?」
「う……」

必死に頭を回転させていると、唇に冷たい感触。
その感触に反射的に口を開いてしまって、今度は口の中は冷たさとメロン味が広がる。
しゃくしゃくしゃく。

「ん……」
「おいし?」
「……はい」

何度やっても、恥ずかしくてお嬢様の顔が見れない。
目の前の赤いカキ氷を食べることに集中しようとしたら、少し嫌な予感。

ゆっくりと視線を上にあげていけば、口を開けて待つお嬢様の姿。

「あ、あの、お嬢様……?」
「せっちゃんのも一口ちょーだい」

今まで、私が食べさせてもらうことはあっても、私がお嬢様に食べさせるなんてことはなかった。
だから、どうしていいのかわからない。

「はよせんと溶けてしまうー」

カキ氷だから、確かに溶けてしまう。
それに、私の方が先に食べていたからすでに溶け始めている。
時間稼ぎはできない。

「え、えと、し、失礼します……」
「あーんっ」

恥ずかしながら、お嬢様の口もとへとかき氷を運ぶ私の手は震えていた。
こぼれなかったのが不思議なくらい。

しゃくしゃくしゃく。

「ん、おいし」

その言葉にほっとすることができて、また自分のを食べることができる。

「あ……」
「え?」

突然の声に、カキ氷を食べていた手が止まった。

「間接ちゅーやなー」

かしゃん……

持っていたスプーンが、半分溶けた赤いカキ氷の中に落ちた。

暑さで氷がとけるのはあっという間。
お嬢様によって急に体温をあげられた私も、あっという間に溶けてしまえばいいのに。

なんてことが、キーンとする頭に浮かんで消えていった。





おしまい
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