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大晦日ですね。

気づいたらもう大晦日でした。

今年は毎土このせつ企画のおかげで、毎週このせつSSを書くことができました。
ほとんど毎土企画しか書いてませんが^^;
その毎土企画のお題を考える係になったので、しばらく頑張ります!
しょっぱなから難易度高いのあげちゃってほんとすみません;

来年は毎土以外のものも書いていけたらいいなーと……
思ってるだけではだめなので、書きます。

今年最後のSSを下に置いておきます。
このせつです。
わりと勢いだけで書けました。
最近やけになにか書きたい衝動にかられます。
これが来年も続くといいな。


あともう数時間で2008年もおしまいですね。
みなさま、一年間お世話になりました。
2009年もよろしくお願いします。


SSは続きからどうぞです。




『来年も』









12月も中ごろを過ぎたころ。
大晦日近くに少し大がかりな仕事が入ったことが明らかになった。
同室の龍宮も実家の手伝いがあるため、冬休みになる前には実家へ戻る。
そして今年ももう、実家へ帰ってしまった。
つまり年末の大掃除は私の仕事。
だから、今年の掃除は早めにすませなければならない。
とはいっても、こまめに掃除はしているのでそこまでの苦労はしない。
いつもは目が行き届かない所をするくらいだ。
だから私ひとりでも、毎年なんとかなっている。

のだけれども……。

「なぁせっちゃん、これどこー?」
「それはあちらの棚にお願いします」
「りょーかい」

とたとたと、私が指さした先の棚に小物を片付けるお嬢様。

私がうっかり口をすべらしてしまったため、今日私がひとりで部屋の大掃除をすることがお嬢様の耳に入ってしまったのだ。
案の定、「うちにも手伝わしてな?」と反論を許さない笑み。
それに小声ででも返事をしないわけにはいかなかった。

ひとりよりもふたり。
例年よりも掃除の進度が早い。
さすが家事になれていらっしゃるのか、私がいつも見逃すところを鋭く指摘。


「ふぅ、……だいぶ終わりましたね」
「せっちゃん」
「なんですか?」
「まだや」
「え?」
「あそこが残っとる」

お嬢様の指差す先には、押入れ。
たしかになにも手をつけていない。

「あそこは龍宮のものもありますから、毎年年が明けて二人がいる日になってからやるんですよ」
「そうなん?」
「はい」

この返事に、なんだか少し残念そうな表情を浮かべるお嬢様。
その表情を見てふと思い出し、押入れから自分の段ボールをいくつかひっぱりだした。

「せっちゃん?」

箱を覆う埃が舞ってしまわないよう、そっと濡れた雑巾で拭う。
全部の埃をぬぐってから、それぞれふたを開けていった。

「この箱の中の整理を手伝っていただいてもよろしいですか?」
「うん!」

箱の中身は、京都から持ってきたものが入っている。
ほんとは夕凪だけ連れていくつもりだった。
けれどあれやこれやと、師匠たちに詰め込まれてこんなにも大きな箱に。
食べ物はすべて食べてしまったけれど、衣料品などはそのままになっている。
ちょうどいいので、いろいろ整理をしておこうと引っ張り出すことにした。

「この大量の長い布は?」
「あ、それはさらしです。これも入ってたんですね」
「……知らんかったん?」
「ええ、こちらにきて、食料だけだしたらすぐに押入れにしまってましたので」
「お師匠さんたちがせっかく持たせてくれたんに?」
「……それは申し訳ないです」

ふっと師匠の顔が浮かんで、自然と頭が下がる。
お嬢様はそんな私を見て小さく笑うと、箱の中身を出す作業を続けた。

「なぁ、これって……」

お嬢様の手には、小さな袋。
見覚えがないそれ。

「なんですか?」
「写真や」
「へ?」
「昔の写真」

袋から出てきたのは、何十枚もの写真。
一枚一枚めくっていくお嬢様の手元を覗き込むと、幼い自分と懐かしい顔。
誰かに写真を撮られたなんて記憶はない。
写真は、お嬢様のところで巫女さんにとってもらった記憶しかない。
私が持っているのも、その時のものだけ。

「あ、これ、うちがせっちゃんと出会う前のや」

そう言って渡された写真の後ろ側には、写真のとられた日付と、泣き顔という一言。
表の写真は、確か兄弟子たちに負けて道場の裏で泣いてる時のものだった。

「いつのまに……」

袋に入っていたほとんどの写真に、日付とコメントがついていた。
なかにはお嬢様と遊んでいるときのものもある。
カメラ目線のものなんてなくて、すべてが自然体のもの。

「なぁせっちゃん」
「……」
「あとでアルバム、買いにいこか?」

首をなんとか二回縦に振る。
こみあげてくるものが大きすぎて、それしかできなかった。

「なら、はよ終わらせんと。あ、せっちゃん」

顔を上げると、満面の笑みを浮かべたお嬢様。
あぁ、もうこの表情だけで次に何を言いたいのかがわかった。

「お嬢様。アルバム整理、手伝っていただいてもよろしいでしょうか?」

反論を許さない笑みがちょっと驚いた顔になって、なにあたりまえなこと聞いてるん?と言いたげな笑みに。
その笑みに微笑んで、写真の束をそっと机の上においた。
その拍子に、はらりと、一番上にあった自分の泣き顔がすべり落ちた。
あわてて拾い、写真の束の上に乗せようとした写真にその手が止まった。

私と彼女の楽しそうな様子の写真。

少し考えて、自分の泣き顔は一番後ろにそっと差し込んだ。
ふたりで笑顔での写真を一番上にして、来年もふたりでこんな風に笑っていきたいと、心から感じた。



おしまい。
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