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企画でこのせつSS第四十弾

企画でこのせつSS第四十弾です。


『毎土!このせつSSいかがですか?』


桜の季節ですね~。
こちらはぼちぼち咲き始めております。
ただ、急激にまた寒くなってきて開花止まり気味?;
でも、農協で買ってきた桜はもう葉桜です。
やっぱり室内の日当たりいいところに置いておいたからでしょうか。

あー、お散歩しつつお花見したいな。


さて今回のお題
「桜」

自分担当最後のお題です。

なんだか切なくなってしまった。
ほのぼのにするつもりだったのにどこで間違えたんだろう……。

SSは続きからとなっております。











ひらひらと舞う一枚一枚は白色に見えるのに、ふわりと盛り上がるとピンク色に見える。
それが昔から不思議で仕方がなかった。
いろんな人に尋ねても、わからないと言われるばかり。

もちろん、あの頃いつも一緒だった彼女にも聞いてみた。
やっぱり彼女もはじめはきょとんとしていた。
けど、手の中に舞い落ちる白色と頭上に広がるピンク色を見比べて、小さくうんって頷いてくれた。

それから二人で並んで、大きなピンク色の塊から、ひらひら小さな白い欠片が舞うのを眺めてあれこれ考えた。
けれど、答えはなかなか見つからない。
ただただ、時間だけが過ぎていく。

そんなことを毎日繰り返した。





――はい、今日のおやつ、さくらもちや。
――ありがと、このちゃん。
――おいしいねー。
――うん、やっぱりこのちゃんと一緒やからかな。
――うん、一緒の方が……あ、うちわかったかも。
――え、ほんま?
――うん、あんな……





舞い散る白色と風にのって聞こえてきた幼い笑い声。


あの日、答えは貰った。

でも、この揺れるピンク色と舞う白色を眺めることはやめなかった。
京都を出て、麻帆良にきてからもそれは変わらない。
変わったのは眺める樹。

それともうひとつ。

隣には、コンクリートの上に舞い落ちて散らばった白い欠片。
大好きな笑顔は咲いていない。

足もとに落とした視線をもう一度上へ。

ざわりと、ピンク色が震えて白色が舞う。


友達といたから、いつも笑顔でほんのりピンク色。
その友達と離れて、寂しくなって白色に。


――せっちゃん見てたらわかったんよ。


そう笑う彼女の頬も、ほんのりピンク色だった。
きっとその時の自分の頬もそうだったと思う。


……今はどうだろう。

彼女と離れ、ひとりになった今の自分。
きっとざわめくピンク色ではなく、舞い散る白色に似ている。
鏡を見なくても、簡単に想像がつく。

でも、彼女はピンク色。
あの頃と違って、たくさんの友人がいる。
彼女には、ずっとピンク色であってほしい。

そう願うけれど、時々彼女が白色になる瞬間を見てしまう。

それは自分と目があったとき。
ピンク色が、すっと白色になる。
まるで、目の前の光景のように。

それは一時のこと。
すぐに彼女はピンク色になれる。

そう自分に言い聞かせて、すっとその白色から目を背け続けた。

自分には、もう桜はある。
白い花びらを想像させるような桜が。

だから、どうか彼女にいつまでも咲きほこる鮮やかな桜を……。




おしまい。




今まで私の思いつきのお題につきあってくださってありがとうございました。
次回お題からはさっちゃんさんにバトンタッチいたしました。
次回からはまたどきどきしながらお題に挑戦していこうと思います。
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